5月5日
昨日のノリヒコ先生のこいのぼりや生徒さんが紙を広げているところなど,話に聞くだけでなく,画像があることでより印象深く,読みごたえもあったのではないでしょうか。
世の中は,まだまだ大型連休の最中。
というわけで,今日も昨日に続いて読み応え重視で。
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今日は,4月14日のたのしい障害児教育の作選会議に,わたしが持っていった資料をブログ用に書き換えたものです。
タイトルは,
<紙すき大作選>…染伝人の選択肢まずは,作選会議に参加された,特別支援学校のチエ先生のメールを紹介します。
染伝人さんへ
チエです。お久しぶりです。
今年は,作業(紙すき)の主指導になったので、これはチャンスと思い、作業の時間におりぞめもやっちゃおうと思っています。
一応、「紙すき」の作業なので、漉いた紙と折り染を良い感じでコラボさせて…と思っているのですが、あまり良い案が浮かびません。
ちなみに、紙は点字の教科書をちぎって、紙にします。大きさはハガキサイズのもので、1年生の時に全員が作業で体験しています。
1年生の時の作業で、私が主指導したクラスでは、4月~3月のカレンダーを作ったり、ラミネートをかけて栞を作ったり、そのまま葉書として郵便番号のハンコを押して作品を作りました。
2年生でする紙すき班は細かい作業が難しいと思われる生徒さんも来られます。なので、あまり難しいことはできないか、教師のほうでしないといけないかな???と思っています。
チエさんのメールより
さて,あなたなら,どのようなアドバイスをしますか。
実は,わたしには即浮かんだ応えはあるのですが,それを言っても,
「そうなるといいのですが,でも,現実にはできません」とチエさんに言われて,現場にいる彼女に役に立てそうもないので,言わずに済ませました。
そこで,わたしなりにいくつかのことを考えたことをメモ風に書きます。
【紙漉きの三つの楽しさ】まず,何より,チエさん自身が<紙すき>班をたのしいと思えるといいなと思います。
<紙すき>班の中心である紙漉きは1300年も前から日本では行われていて,<和紙>というのは世界に誇る財産で,実際,石州和紙は世界遺産に登録されています。
紙漉きに限らず,ものづくりの楽しさは,
1 作ることそのもののの楽しさ…材料から製品という違ったモノができる
2 使う楽しさ…できたモノを使う喜び
さて,もう一つは何?
3 他の人に使ってもらうたのしさ…他人の笑顔が一番
この三つのうち,実は一番大きな楽しさは<作る楽しさ><使う楽しさ>ではなく,<他人の笑顔>です。
自分の漉いた紙を他の人に気に入って使ってもらう,というのが何よりです。
【紙漉きとおりぞめのコラボ】<自分で漉いた紙で折りぞめをする>というのが一番に浮かぶかもしれませんが,それは,学校などで漉く紙はハガキのように厚く固いので<折り>には向いていません。わたしが思ったのは,ハガキサイズなので,ハガキとして作るか,小さく切って栞にするというのがいいと思います。
いくつかのコラボを考えてみました。
・おりぞめの紙をハガキ大に切る,あるいはハガキ大におりぞめしたものを貼る。
・おりぞめの紙を半分とかに切って,貼る。
・おりぞめの紙をクラフトパンチなどで切り抜いて貼る。
・切り紙おりぞめして貼る。
・紙を染めるということで言えば,スプレーはおススメ。型を置けば,型抜きも簡単。
・紙を漉く段階で,小さく切ったおりぞめの紙を漉き込む。
【他人の笑顔をつくる】<紙すき班>の中だけで完結しなくてもいい。そのハガキに字を書いてもらい,それを25センチ角のおりぞめの台紙に張ると,カッコイイ作品になる。
年賀状に使ってもらう。年賀ハガキ用の切手を使えば,抽選の対象にもなる。
ギャラリーを作って,毎月展示換えするとかすればいい。見てもらって,楽しみにしてもらう,それも<他人の笑顔>。
【作業の難しい子どもさんとのおりぞめ】知的障害児の学校で作業の難しい子どもたちとつきあう中でわたしが開発したおりぞめ。詳しい説明は略。
・ステンドおりぞめ
・ローラーで染める
・スプレーで染める。(立てて染めるようにダンボールで囲みを作った)
・ビニールの袋にクシャにして入れて,スポイト(たれビン)あるいはスプーンで染料を入れて染める。
・ペットボトルの口に押し込んで,両側をそれぞれ違う色の染料につける。
・着墨(ちゃくぼく)…<墨で書く・描く>というのではなく,墨をつけると取り組んだ。
【わたしならどうするか】さて,ここからは,わたしならどうするか,ということを書きます。チエさんのおられる学校の細かいことがわからないので,かなり現場離れしていることを書くかもしれません。しかし,一見現場離れしていても,物理的に無理なことを除けば,やれるかもしれません。まあ,書いておきます。
<紙すきの作業の大きなねらい>
・紙すきの作業を楽しむ
・何をするかを理解して行動する
<作業の主な内容>
・一年を通じて,<ポストカード>を作る。
・展示する,他の人にプレゼントする,販売するなどを通じて,他の人にかかわる。
<4月5月の授業について>
まず,どんなものを作るか見せる。紙すきで作ったハガキにおりぞめの紙を貼ったものを見せる。
最初の時間におりぞめをする。
次の時間に,その紙を紙すきで作った紙におりぞめを貼る。残りの時間で紙すきの作業をする。
それ以降は,半分の時間をおりぞめ,半分の時間を紙すきの時間。人数や作業場の状況によっては,紙すきとおりぞめの班に分けて,時間で交代する,という手もある。
そして,何回かに一度は,<ポストカードづくりの日>にあてる。
そのできた<ポストカード>をギャラリーに貼ったり,何かの時に売ったりすればいい。
作業の難しい子どもたちと考えれば,おりぞめよりは<紙染め>というほうがいいかもしれません。
<紙すき>の作業では<紙漉き>と<紙染め>をして<ポストカードを作る>というのを基本にしてしまえばいいのです。
そうして,うまく行けば,
紙すきの紙ではなく,おりぞめした紙をケント紙などに貼るだけでもOKになるかもしれません。
ポストカードだけでなくて,ハガキ大の紙や失敗してできた小さい紙などをパッチワークのようにつなぎ合わせて,のれん風にしたり,小さいままで栞やメッセージカードにするとかもできるかもしれません。
どのように紙を漉くか,ということはチエさんが分かっておられると思いますが,どのように紙を染めるか,漉いた紙のどのようにして紙を貼るか,という課題は残っていますが,チエさん,はじめ,一緒に取り組む先生がたちが楽しんでもらえたらいいと思います。
【わたしの考え】4日間の<和紙の手漉き講習会>に参加したこともあります。紙漉きはたのしいですが,しかし,バラバラになった紙の繊維を集めて漉いただけで紙にはなりません。乾燥させなければなりません。それに比べれば,おりぞめは白い紙がその場で色がついて染まるので,<変化>がすぐわかります。
<紙すき>でハガキ大の紙の乾燥はどうしているのでしょうか。重しをして自然乾燥でしょうか。作業としてはそれでいいと思いますが,授業としては,漉いたものの水を切って,アイロンをあてて,その場で紙になるところを見せる,というのも必要ではないかとわたしは考えています。
アイロンで,ぼこぼこにはなるけれど,紙になる(ばらばらにならずに一枚になる)ところを見せて,きれいな紙にするために穏やかに乾燥する,ということで話ができるのでは。
<漉いたものが紙になる>というのをその場で見せる,ということはありだと思います。<できる>と<きれいにできる>を分けて考えてもいいのではと思います。もう,すでにされているかもしれませんが。
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わたしの考えは,<紙漉き>ということで言えば,<おりぞめ>が入って違うものになっているので,現場では受け入れられにくいかもしれません。それに,物理的なことや学校の状況でそのままではしにくいこともあるかもしれません。
わたしの考えた<紙すき>の授業は今までとはちがうので受け入れられにくいかもしれませんが,たのしい授業になりうると予想しています。もし,よければ,実際にやってみて,結果を報告していただけるとうれしいです。
小さく変えるというのも手ですが,はじめから変えてしまう,というのも手です。
わたしにできることはお手伝いします。
お邪魔でなければ,チエさんの学校へも行きます。
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最初に浮かんだわたしの応え。
「<紙すき>という名前の作業で<おりぞめ>をして楽しめばいいのでは」
わたしには<紙すき>が<紙好き>にみえてしまいます。
<紙好き>大作選…染伝人のおすすめというわけです。