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大阪高齢者大学校にて 総合文化を身につける科

10月2日
昨日,1日水曜日に大阪高齢者大学校の<総合文化を身につける科>で〈おりぞめでたのしもう〉の講座をしました。
54名5班編成で,わたし一人なので,段取りなどを工夫しました。
10時から12時までの2時間の予定です。
大阪高齢者大学校にて 総合文化を身につける科_f0213891_13221128.png

という【プリント】を用意して,この予定で進めました。
各班は4つの机を並べて,その上に染料を用意しました。
今回は,〈折り筋を染める〉も〈おりぞめパーティ〉も8色で実施。基本の5色+緑・橙・紫です。
最初に用意してもらったときに,「どんな色かわからない」という声も聞こえてきました。クラスのお世話係の方も気になって,訪ねてこられました。そこで,「今は分からないと思ってもらえばいいです。講座の中でわかるようにしますから」というような話をしてはじめました。
自己紹介をということなので,いつもはほとんどしないのですが,<理科の教師が障害児教育の現場で子ども多たちがたのしむものとしておりぞめに出会ってからはまってます〉みたいな話をしてはじめました。
最初はいつも通り,「手指の染料はついてもとれますが,洋服につくと取れません。」といって続けます。「きれいに染まればいいのですが,といつものネタを言うとここで笑ってもらえます。そして,「染料の色が分からないと思いますが,それは小さな紙をつければわかります」といってやってみせると,<なるほど>という感じ。こんな風にして和んでもらいながらスタート。
●<折り筋を染める>体験
まずは〈折り筋を染める〉。真ん中のわたしを囲むようにしてみてもらいました。
折り筋を染めるは見本が4つなのですが,「高齢者大学校ということでもう一つ」として<八つ折りで八角形と八つ星>をみせました。一人3枚ということでやってもらいました。大阪高齢者大学校で大人数の時は今までは一枚ずつはさんでいくのを用意していたのですが,それでは,見てもらえないのでもったいないと思い,新聞紙の横長半分に3枚を置いてもらうことにしました。
●おりぞめパーティ
プラン通りに実施。「いいでしょう」「いいね」もばっちり。
第2部のフリーパーティの時に,「〈どうでしょう〉とは言わないで」「〈いいでしょう〉といわれたら,とりあえず〈いいね〉と応えてください」など,おりパーのルールの説明をして【パーティ券】を配る。
おりパー用の折った紙を3個配る。すると,〈見本は6枚なのに,3枚だとできない〉というような声がありました。これはわたしの想定済みなので,あとで<見本は6枚だったのに,3枚だと全部できなくて,欲求不満になったかもしれません。でも,ご安心ください>といってから話すつもりだったことを先に話をしました。
「見本は6枚なのに,3枚だと足りないと思われたかも知れませんが,3枚染めた後,その折った紙の作り方をやります。それから染めてもらいます。」というような話をしました。
今まで高齢者大学校で何回か実施してきて,わたしの中ではかなり自信のある今回のプランなので,ただただ,プラン通りに実施ていくだけで,こんな風に途中で質問があっても,なんでそうしているかわかるので答えられるし,質問がでなくても実施していくことで解決していきます。
こんな風にプランをつくることができているのは,〈仮説実験授業〉にわたしが学んでいるからだと思っています。仮説実験授業を知らない人には<何のこと?>となるでしょうが,知っている人たちには了解してもらえるだろうということで,ここは説明不足のまま進みます。
●印象的だったこと
このおりパーのフリータイムで印象的だったことがありました。
〈どんなことをしてもいいですよ〉といって,様々な染め方を言いました。その中の一つに〈輪ゴムを外す〉というのも伝えました。そうすると,紫一色の中へドボンとつけた人がいました。出来上がりは白い部分がなく,折り目のところが何となく濃くなっている程度。それを見てまわりの人が,〈それもなかなかいいんじゃない〉とわたしが言いそうなことを言っておられました。〈失敗作はない〉ということが,ここまでしただけで伝わっているという実感がとてもうれしかったです。「いいでしょう」「いいね」の声も随分と聞こえてきました。もちろん,恥ずかしがっている人も,そこは無理はしません。たのしい時間を過ごすことが大事ですから。「いいでしょう」ということで楽しみがひろがればいいですが,それでたのしくなくなるのなら言わなくていいです。まあ,そんな心配なく,みなさん,染めるのを楽しんでおられました。おりぞめの〈教材の力〉を改めて感じました。
●<びょうぶ折り畳み>
だいたい3枚染め終わる頃が11時。11時に休憩といわれていたのですが,ここで,8等分のびょうぶ折りと直角二等辺三角形畳みを教えました。【折り染めしよう】というプリントを配布。
25分まで休憩をとり,その間に折っておいてくださいと言いました。
時間のことが気になったので,この休憩の間におまけの墨染めの紙をびょうぶ折り畳みしてもらうことに。今から考えれば,ほんとうにぶち込みすぎでしたが,いろいろなおりぞめの世界の広がりも知ってほしいというわたしの欲深さからです。
●<五つ折り+切り紙>
今回の講座に合わせて,五つ折りの型紙を作りなおしました。本当に必要な情報だけに絞りました。それと,大切なのはこの型紙を使っての伝え方ですが,今回だいたいうまくいきました。型紙はこのままで,使い方で一か所だけ訂正して,次はやってみようと思っています。型紙を公開しておきます。
図のところの矢印があった方がいいと思われた方もいるかもしれませんが,この型紙と型紙の使い方はセットになっているので,そう考えて<矢印>情報をわざとなくしてあります。
ここは,これから何度か使っていく中でどちらか決まっていくと思います。
大阪高齢者大学校にて 総合文化を身につける科_f0213891_15174916.png

●エピソードを一つ
この五つ折りを伝えているときのエピソードを一つ。50人ほどの人を前にしての説明,わたしのイメージはバスガイドです。少人数だとさっさと説明できることでも,50人だと間を開けて,確認しながら進むことになります。そうすると,実際の団体バスの時と同じことが起きます。ガイドさんの話を聞かないで,あるいは聞きながら,隣とおしゃべりをするのです。全く関係ないことを話しする人もいますが,その多くは,その場での関心があって,おしゃべりしてしまうのです。この講座でも,突然「いいでしょう」「いいね」という声が聞こえてきました。墨染めした紙を染めて,思わずいいのができたので,声に出てしまったのです。他のみなさんもそこに注目します。
みなさんならどうされますか,<静かにしてください>と注意しますか。
それとも,目で<だめよ>と合図して済ませますか。
それとも,わたしたちにも見せてくださいと言って,「いいでしょう」「いいね」をみんなでしてから,五つ折りの説明に戻る。
それとも,それはなかったことにして淡々と進めていきますか。

さて,わたしはどうしたでしょうか。たのしんでもらえているし,「いいでしょう」「いいね」が使われているのでうれしい半面,こちらは説明の途中なので,どうぞ,好きにしてくださいというわけにもいかず,対応をしました。
「気持ちはわかりますが,声は出さないでもらえますか。染めるのは好きにしてもらってもいいですが,そこは小さな声で言うとか,顔を見合わせるとか,大人の対応をお願いします」と話しました。
少人数だと,声のした方に行って,<わたしも見せて>となど対応できるのですが,団体旅行のバスガイドなので,みなさんに楽しんでもらいたいと思ったのでこんな対応をしました。もし,いい対応法,あるいは本職のバスガイドさんはどうしてるのかなと。うーん,わたしがその役をやってガイドさんがどうするのか,というのは出来そうもありません。何か,情報があったら教えてください。
さて,話を戻します。
五つ折りしたのを切り紙したのですが,<カタチシート>に手を加えて【型紙】を作り配りました。サクラとかアサガオとか大の字とかウメとか星とか,一つ一つバラバラにしてもらうので,〈紙の中心の方〉〈紙の外の方〉という言葉を入れました。
●おまけ
おりぞめの世界を知ってもらうためにぶち込みました。ハートの絞りおりぞめで絞ったものを配って染めてもらいました。本当に詰め込みすぎたと思いましたが,そこは〈ハートの力〉,楽しんでもらえました。
●お気に入りのイチマイ
そこで,班ごとにお気に入りのイチマイを持って記念写真を撮りました。
大阪高齢者大学校にて 総合文化を身につける科_f0213891_12303296.jpg

なんとこの班の方は,全員で一番最後にしたハートのおりぞめでした。いろいろあるのが分かってもらえると思います。
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●大びっくり
実は,このブログの記事を書くために,この記念写真を見て大びっくりだったことが一つあります。
最初の<折り筋を染める>で一枚目を染めたとき,思ったより染料がしみこんでびっくりしてしまって,失敗といってやろうとしない人がいたのです。「とにかく広げてみてください」と説得したのですが,<失敗>といった感じで取り合ってもらえません。周りの人も<広げてみないとわからない>とフォローしてくれたのですが,受け入れてもらえません。そこで,わたしが広げて見せました。周りの人はそれなりと評価してくれたのですが,ご本人は納得いかず。でも,〈これはこれでいいですよ〉とわたしの説得は続きます。〈こんなのできました〉といつもの調子で他のみなさんにも見せました。「きれい」といってくれた人もいました。
納得はされていない様子でしたが,おりぞめをやめるという雰囲気でもなくなったので,わたしもそこから離れました。それ以降もそれなりにおりぞめに取り組んでおられました。それで,この記念写真を見ると,なんとそのお気に入りのイチマイにその最初の<シッパイサク>を持って写っておられるのです。
うーん,どういう気持ちなのか。
お気に入りに変わったのか。
というか,なんだか気になる一枚ということで取り上げられたのか。
聞いてみたいですが,とりあえずは,嫌になられていないということが分かってうれしいというか,大びっくりな出来事でした。
<お気に入りのイチマイ>という記念写真を最後にとらなければわからなかったことです。

たのしかったですが,けっこう疲れました。いろいろ考えることもあり,学校の先生ではなくて,その人自身の楽しみとしておりぞめを伝えるには,今回のプログラムの大筋はよかったと思います。細かいところは修正して,次回に生かしたいと思います。
これぐらいにしておきます。



by orizome | 2014-10-02 15:51 | その他 | Comments(0)

紙に染料をつけて染めるものづくりの<おりぞめ>噺。ものづくりはたのしさつくり。おりぞめ染伝人(山本俊樹)メールアドレス orizome●live.jp
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