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おりぞめ講座の速報…西岡さんより

2019年12月15日
昨日,14日土曜日にJR大阪駅近くのルネッサンス高校を会場にして行われたおりぞめ講座に行ってきました。
まず,その時の写真。
おりぞめ講座の速報…西岡さんより_f0213891_08034367.jpg
各自で染めた緑グループの染め紙を持っての一枚。改めて,<おりぞめは人を選ばない>の典型としての色グループのすばらしさを感じました。この日は各自,赤グループ,黄色グループ,青グループを染めたので,それぞれを持っての写真を時間があればとりたいと思ったぐらいです。
もう一枚。
おりぞめ講座の速報…西岡さんより_f0213891_08082661.jpg
この日,筆箱を作った14人分の作品です。染め紙は用意されたものの中から各自が選ばれたものです。選ぶ様子を見ていていつも思うのですが,全員が,同じのがいいとはならないのです。人それぞれなのです。サッサと決める人,あれこれ迷っている人,ほんとうにいろいろ,さまざまです。そして,その様子はその人がおりぞめ紙を選んでいるというより,おりぞめ紙がその人を呼んでいる,選んでいると思える時もあります。わたしにとっては,たのしい時間の一つです。そして,今回は,ステンドおりぞめとそれ以外は<水を使った染め紙>です。染め紙自体が以前と比べれば本当にきれいになったなと。
話を戻しましょう。
この会を主催した西岡さんがその報告を書いてくれました。
速報としてお知らせします。
========
2019年12月14日(土)の会のご報告です。
〔大阪〕〈おりぞめ体験〉と〈染め紙を使ったものづくり〉
主催/近畿・「特別支援教育はたのしい授業で」入門の会。
●日時:12月14日(土)1時~2時30分。※延長30分,3時終了
●場所:ルネサンス大阪高等学校(JR大阪駅近く)
●講師:浦木久仁子さん(おりぞめ来楽部)
●参加費:1000円(同一校割引:500円)。
●参加者:13名(講師,スタッフ,主催者を含めると16名)
●内容
〈色づくり〉からはじめて,紙を染めて,染めた紙で作品づくり。
・染料を水で溶かす(ピンク,青,黄)
・3色で染める(3枚)
・染料の3色を混ぜて混色する(赤・青・黄・緑グループ各3色)
・各色グループで染める(4枚)
・〈月並おりぞめ掲示〉を実物で紹介
・〈だんだんツリー〉を〈ラミネートファイル〉にする
●参加者のたのしさ度(感想文提出9人中)
ア,とてもたのしかった。■■■■■■■■8人
イ,たのしかった。■1人
ウ,たのしくもつまらなくもなかった。0人
エ,つまらなかった。。0人
オ,とてもつまらなかった。0人
●おりぞめミニ講座の感想
・真っ白紙が染まる様子がとても楽しかったです。3色(ピンク,黄,青)だけでも楽しかったのに色を作れると知って(作り方も教わって)もうかなりわくわくしました。
折った紙を買ったので家でもやってみたいです。学校でも機会があったらやってみたいです!!
・色々な色で染めたかった。きれいな色でとても楽しかった。
・3色セットの使い方が分かりました。
・色づくりの色グループ分けについて知れたのがよかった。
・説明が非常に分かりやすく,楽しく最後まで染めることを楽しむことができました!同系色で作る美しさに感動しました。また学校で実践したいと思います。
・赤・青・黄の3色でしかしたことがなかったので,同系色の美しさに驚きました。また,“月並おりぞめ掲示”が,いろいろバリエーション豊かで,こいのぼりやかさなど,ぜひ来年やってみたい!と思いました。あだというまに素敵なカラーファィルができて,楽しかったです。
・今年度は,自分の学校でも,特別支援の子どもたちと一緒におりぞめをしています(毎月の掲示物)。色グループのそめものは落ち着く,というのは,本当にその通りだと思います。
・両面のラミネートは初めてだったのでよかった。
・ラミネートの作り方をまた復習できました。時々しないと忘れてしまいます。ありがとうございます。色グループもまたやってみます。おちつきます。
●ふでばこの感想
・こんなステキなふでばこ!!ができるとは思いませんでした。型も手に入ったので,これも学校で機会があったら子どもたちとと作ってみたいです!「身」の方は,これ一人で作れるようになるのカナ・・・と不安でしたが,「身」を1回作るとやり方をある程度覚え,「ふた」の方は一人で作ることができました。それも自信につながりますね。
・作り方をていねいに教えてくださってありがとうございました。私でも作れました♡アートフェスティバル(1月下旬)に出品する作品にします。
・折り染めで作った染め紙を役に立てられるものづくりができるのはよかった。
・こんなにステキな筆箱が作れるなんて思ってもみなかったのでとてもうれしいです。身近なもので作れるのがいいなと思いました。
・ボールペンは,せっかくきれいな紙に色がつくので,えんぴつでしました。
・箱を作るのは初めてなので,紙の大きさやのりの貼り方にもコツがあるんだなと思いました。もんじゃのヘラがとっても使いやすかったです。箱は高いお菓子を買った時についてくる物というイメージがあるので,こんなに簡単にできて,大満足でした。ありがとうございました。
・きれいなふでばこができてうれしかったです。作った後で思ったのですが,筆箱の内側をピンク色で選びましたが,使っているうちに汚れてくるので,黒の方がよかったかな。ありがとうございました。
・手のこんだものづくりが楽しかった。ぎりぎりのものを作るのが質のupにつながるのだなと思った。
・完成が美しいのでうれしいです。教えることはむずかしいですね。またクラスでやってみます。ありがとうございました。
***
速報は以上です。
参加されたみなさま,講師の浦木久仁子さん,山本知代さん,本当にありがとうございました!
みなさんによろこんでいただけたようで,とってもうれしくなっています。
作ったペンケースの写真を添付いたします。
おりぞめ講座の速報…西岡さんより_f0213891_08180848.jpg
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わたしの感想を書いておきます。
【浦木さんの講座】
色グループはいいなと改めて思いました。
ひとことで言ってしまえば,<同系色でまとめる>ということなのです。しかし,それを実感して使うことは本当に難しいです。
わたし自身がおりぞめを通じて<同系色>や<セパレート効果>という美術の法則(とわたしは思っています)を知ってから,実際にいろいろなものを見ていくと,ルールがあるから,それを守ったり破ったりすることで作品を作っていると感じることが多くなりました。
特別な才能をもった人は別にして,支援学校の普通にいる多くの先生たちにとっては<同系色でまとめる色グループで染める>というのはとても役に立つと思います。<色グループ>を守れば,それなりの作品ができるというのは,美術にシロウトの多くの普通の先生にとっては素晴らしいギフトだと思います。
わたしが《おりぞめ発表会》を発明したのは1999年です。いまから思えば,わたし自身は<美術のセンスが多くの人とは違う>という人なので,学校の美術教育からは落ちこぼれていた気がします。美術教育についてはドシロウトから始まっています。それでおりぞめを通じて美術のいろいろなことを学べてほんとうに良かったと思っています。<同系色>というのは美術の人にとっては当たり前で,その上でそれをどう守り,どう破るかという折り合いのつけ方が課題になっているのかもしれません。しかし,わたし自身は<同系色のすばらしさ>に助けられてきました。
色グループを知ってからは,<こいのぼり><七夕><クリスマスツリー>を作るのに困ることはなくなりました。そうして,だんだんとおりぞめで季節ごとに作品を作るようになったのです。
そこで,わたしは,わたしにとっての大発見をするのです。行事や季節は形と色で表現されるということです。ツリーや花など形と共に色がついて回ります。
こいのぼりは青と赤,七夕とクリスマスツリーは緑。そう考えれば,サクラはさくら色,アジサイは赤,紫,青系。コスモスはピンク系などなど,色と形と季節感の関係にたどり着くのです。そして,その集大成が2010年4月から2011年3月にかけて,提案・実践した<月並みおりぞめ発表会>です。わたしが支援学校にいた最後の年です。《おりぞめ発表会》の発明から10年が過ぎていました。
その後,他の人たちがまねをしてくれたりしました。そして,戸田道代さんがおりぞめ発表会の25cm×75cmではなくて,多人数学級でもできるようにということで25cm×25cm角の紙でできる《月並みおりぞめ掲示》を提案されました。
昨日の浦木さんの講座でも色グループを説明された後,戸田さんの《月並みおりぞめ掲示》の資料とともに,わたしの作った実物を使って説明されていました。<ただ,毎月,おりぞめの作品を作って掲示する>という提案なのですが,それは,<色グループを使った教材>とわたしにとっては当たり前のことを改めて実感して,<色グループと月並おりぞめ掲示>をセットで伝えていくというプランをかなり確実に再確認できた講座でした。
浦木さんの講座に参加して,学ぶことの多かった時間でした。
【知代さんの講座】
知代さんのふでばこの講座は,奈良・福山,そして今回で3回目です。わたしはそのどれにも付き合っています。確実に教え方は進歩しています。わたしがおりぞめの講座をするとき,「3回(枚)はやってみましょう」といっています。それは講師にとっても同じで,同じ内容の講座を3回はした方がいいと思っています。
わたしにとっての大きな学びは<おりぞめツカイ>の製品のものづくりは,わたしが主に研究している<ソメカタ>のものづくりとは大きく違うということです。
ひとことで言えば,<ちがいはあってもまちがいはない>で違えた場合は<こんなのができました>ですむのが<染め方>の講座で,<ちがえたら困ることが起きることがある>のが製品を作る講座です。
線の引き方,折り方,切り方のどこかで間違えば,筆箱にならなかったりするのです。もちろん,違えても問題ないこともありますが,染め方に比べれば,<ちがえたら困る>ということがはるかに多いのです。
例えば,どのような染め紙を選んで貼っても,それなりの箱になりますが,その染め紙の切り方を間違えれば,貼れなかったかり直すことが必要になったりするというわけです。
わたしは<ソメカタ>と<ツカイカタ>の二つに分けて取り組んできました。しかし,それは直感です。何の根拠もなく分けて取り組んできました。そして,はじめから,この二つのどちらも必要だと直観していました。どちらが優れているということではなくて,どちらも必要ということです。「染めるだけでいい」「使うだけでいい」とは思っていません。(誤解されたら困るので,付け加えておきますが,講座では染めるだけの講座,使うだけの講座もオーケーです。おりぞめの研究,普及としてはソメカタとツカイカタの両方の研究と普及が必要というわけです。)
<ものづくり>と言う時,自由に好きに遊んでいるようにすることと意図を持ってそれが実現するように動くこと,今は適切な言葉が浮かびませんが,<自由に遊ぶ>と<意図を実現する行動>のこの二つの展開が<ソメカタ>と<ツカイカタ>の二つに込められているということです。
実際には,ハートに染めるためにはきちんと折り,畳み,輪ゴムを巻き締めて,染めることが必要となり<意図の実現>を目指す染めもあります。また,<おりぞめコラージュ>での封筒のように<自由に貼る>という製品作りもあります。
自分の染めた紙で角ラミ封筒やノートやふでばこを作るということのできるおりぞめは<自由に遊んだり,意図を持って作ったり>というすばらしい教材だと意識することができました。
*******
この14日のおりぞめ講座は浦木さんと知代さんのサポートという仕事はありましたが,これらの講座のために思い悩んだりしたことは一切ありません。そういうサポートする立場だったお陰で今まで取り組んでいたことをこんな風にたくさん言葉にして意識化できたと思っています。
こんな機会を作ってくださった西岡さん,浦木さん,知代さん,そして,参加したみなさんに大感謝です。
本当にありがとうございました。
*******
わたし事ですが,この19日の木曜日に支援学校に行く予定をしています。
おりぞめを題材にしての中学部の研究授業の助言者としていくのですが,やり取りをしているうちに,その研究授業の一部に飛び入りとして,生徒さんたちと<広げ水>の体験をすることになりました。そして,おりぞめを実践されている小学部の先生からも授業を見てほしいということになり,成り行きでわたしが小学部2年生たちとたまモノをすることになり,放課後は希望の先生とおりぞめ講座をすることになりました。
そのおりぞめ講座では<色グループと戸田さんの月並おりぞめ掲示>の体験と紹介をしようと昨日の講座で強く思って,準備をはじめました。
19日はたのしみます。

























by orizome | 2019-12-15 09:59 | その他 | Comments(0)

紙に染料をつけて染めるものづくりの<おりぞめ>噺。ものづくりはたのしさつくり。おりぞめ染伝人(山本俊樹)メールアドレス orizome●live.jp
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