人気ブログランキング | 話題のタグを見る

〈広げ水〉の容器について…千賀さんのレポート

2021年10月13日
千賀慎一さんから〈広げ水の容器〉を工夫しました,という報告が届きました。
まずは画像。
〈広げ水〉の容器について…千賀さんのレポート_f0213891_06432495.jpg
ピンと来た人,何?と思った人。どちらもOK。
では千賀さんの報告。
広げ水は昨年の『たのしい授業』No.511(仮説社発行2020年11月号)で紹介されてから一度やってみたいと思っておりました。
が、折り染めは学童保育所の小学生2,30名を相手にすることが多く、
水プールをたくさん用意して水位を調整してというのは時間的にも空間的にも無理です。
そこで今回、広げ水用の大きな容器に5㎜の水位を維持するしくみを作ってみましたので
よろしかったら参考にしてくださればと思いメールしました。
 
添付の写真の説明で大体お分かりいただけるかと思います。
数日前、学童保育所の物づくり講師として2,3年生20名ほどで初めて実施しました。
一度に20個ほどほうりこんだのですが、水位はほぼ保たれたと思います。
 
写真には写っていませんが
平バット(底面が湾曲していない質の良いものなら他の物でも)を水平に置くためにベアリングのホール数個(バットの中にばらまいて偏りを見ます)と
高さ調節のためのボール紙紙片数枚があります。
 
折り染め用紙を入れる区画(ダイソーの「切って使える仕切り板」使用)が小さいので倒れないようになっていますが、
取り出すのには写真のミニトングやピンセットのようなものが必要です。
 
原理としてはつぎの通りです。
ボトルに水を入れて水面に逆さまに付けても水は出てきません。静かにボトルを持ち上げていくと
ボトルの口が水面から2㎜くらい上がったとき空気が入って水がドッと出ます。
ボトルだけだとこのあと続けて水がドドッとでて水位を保つどころではなくなります。
そこで「定水位維持機構」(大げさな名称ですが)の写真のようにプラコップの底を切り取ってボトルにはめます。
これによって水が下がると1回少量の水が出て狭いプラコップの中を満たし、その水は切り込み部分からゆっくり外に出て行き、
この2㎜になったところでボトルからの水は止まったままになります
(最初に水の入ったボトルをバットに逆さまに立てたときは目的の水位より多めに水を出しておいて、
「水くみ出し用容器」で少しずつくみ出していくと、ボトルから1回目の水が出たところで目的の水位になります)
5㎜の水位にしたいのではめ込んだボトルの口とプラコップの底が 5+2 ㎜になるようにプラコップを切ります。
 
このような手間が必要なのは強力な水の表面張力(界面張力)によるもので、
ボトルの口とバットの水面の間で水分子が互いに引っ張り合いながら湾曲し
必死に空気の侵入を防いでいる様子は何か感動を誘います。
 
今までも折り染めは子どもたち(大人にも)からとても「きれい」にできたと大歓迎でしたが、
今回、この広げ水の方法でできた物は本当に「美しく」,感嘆の声があがりました。
〈広げ水〉の容器について…千賀さんのレポート_f0213891_06433932.jpg
面白いと思いましたが,これは千賀さんの選択肢。わたしはちがうなと次のように書きました。
わたし自身は20人から30人だったら千賀さんの選択肢ではなくて,個人用水プールを選びます。
大きな理由は,共有にすると倒れるということが起きたときに嫌な思いをするだろうなと思うからです。
はじめて広げ水をする小学生のことを考えたら,一人一人にして,倒れたときは自分の責任ということがはっきりすることで,倒さないように気をつけようと思うと考えています。
千賀さんはそこも考えて,倒れないようにセットしていることはわかりますが,セットやトングやピンセットを使うと考えれば,容器の数を用意すること,それと水を調整することの方をわたしは選びます。あくまでもわたしの選択肢です。
水の深さは5mmと言ってもシビアな5mmではありません。わたしは切り幅6ミリの輪ゴムでだいたいのところでしています。
おりぞめのいいのは,倒れた紙を広げてもそれなり,水の深さもテキトーでもそれなりになることです。
ただ,何人かで一つのプールだと倒れたときに,そこで嫌な気持ちのやりとりが出てくるのがわたしは嫌だなと思っているのです。
それで一人に一つの水プールです。
千賀さんからは次のような返事をいただきました。
私も条件が許せばその方がいいと思います。
今回の学童保育所の場合、子どもたちのいる狭い場所で短時間で準備しなくてはならないので
持ち物を少なく(軽く)、小さな面積にセットする必要がありました。
***
授業でものづくりを教えるとき,〈工夫することはいいことだ〉という感じになっていますが,わたしは違和感を持っています。
それは〈工夫する〉ということそのものではありません。
わたしが〈ものづくりの授業〉と言うとき,それは〈授業がたのしい〉というのが大前提です。
それと,〈授業がたのしい〉と言うとき,それにかかわる先生にとってもたのしいことは大切だと思っています。
ヒトコトで言えば,〈たのしそうだからまねしてみよう〉と思ってもらえることです。
子どもたちがどんなに喜んでも,とてつもない労力が必要なとき,やりたい人はやればいいけれど,〈ものづくりの授業〉としてわたしは〈大変だけれどがんばれば子どもたちは喜ぶから,とにかく頑張ってやりましょう〉とはとても言えません。
準備無しで〈ものづくりの授業〉はできません。しかし,その労力は,子どもたちの喜ぶ姿を想像して,〈これぐらいならやってみよう〉と多くの人が思える程度にしたいと思っています。
***
誤解されると困るのでつけくわえておきます。
千賀さんが工夫されたことを否定しているわけではありません。
一つの選択肢として,このブログに紹介したいと思ったのです。
正しいおりぞめはない,豊かなおりぞめがあるだけ。
ということです。
それと,わたしは作ろうと思いませんが,もし,この装置が手に入ったら,使うに違いありません。
水が自動で補給されるなんてたのしいです。繰り返しますが,わたしは自分で作ろうとは思わない,というだけのことです。
***
ものづくりはたのしさづくり

工夫するかしないかではなくて,たのしいかたのしくないかです。
わたし事ですが,広げ水の水の量は大切な技術です。そこで,わたしは切り幅6ミリの輪ゴムを使うという工夫としています。それだけのことです。










by orizome | 2021-10-13 07:09 | 紙を染める | Comments(0)

紙に染料をつけて染めるものづくりの<おりぞめ>噺。ものづくりはたのしさつくり。おりぞめ染伝人(山本俊樹)メールアドレス orizome●live.jp
by orizome
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

以前の記事

2021年 12月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月

最新のコメント

> 船迫新治さん その通..
by orizome at 04:49
共通点は,9等分?
by 船迫新治 at 10:14
> 船迫新治さん コメ..
by orizome at 21:22
「束縛によって得られる自..
by 船迫新治 at 19:24
う(『「)^_^)^_^..
by 矢野 at 10:25
> 船迫新治さん おり..
by orizome at 05:41
金平糖用の星の形,覚えら..
by 船迫新治 at 17:24
> 船迫新治さん コメ..
by orizome at 08:28
ステキなブログの紹介あり..
by 船迫新治 at 08:21
> 戸田道代さん より..
by orizome at 12:40

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ファン

ブログジャンル