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仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事

2024年11月30日
先週の23日土曜日に枚方市で行われた「おりぞめミニフェスティバル」での出来事。
「学校でおりぞめ」ということで〈おりぞめパーティー〉,〈色づくり〉,〈色グループ〉,〈巻折り〉と進んで,午前の講座を終えて,昼休みに入るときに〈広げ水 これ(標本)であそぶ〉というのをしました。
標本を見て,やりたいのを選んで,わたしがそのやり方を伝えるというのをしました。このところのわたしの遊びです。
〈広げ水〉のやり方を一斉に教えるのではなくて,標本に合わせて伝えています。
今までの〈広げ水〉の伝え方と決定的に違う点が一つあります。
それは,〈プールに行く前はギューしない〉というのをなくして,〈つけたらギュー〉ということで通しています。
これでも広げ水のグラデーションは体験できるからです。
さて,そんな中,Tさんがやってきて,「見本通りにならない」というのです。
その時の見本がこれです。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_16290848.jpg
上側が広げ水をしない時,下が広げ水をしたときです。どちらをしてもいいのですが,ここは広げ水をした方です。
これは一辺両角という染め方で,やり方を図で示すとこうなります。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_18460473.jpg
そこで,染め紙を見せてもらい,もう一度染めてみてくださいといって染めてもらいました。
その様子を見ていると,明らかに黄色の染料の量が多いのです。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_18470147.jpg
辺を染める染料は高さ4分の1ぐらいといっているのですが,半分以上の高さまで染めていました。
そこで,黄色の量に気をつけて染めてもらいました。
すると,1枚目や2枚目と違う広がりのある染め紙になりました。
***
それでその時は終わったのですが,わたしはその時,その染め紙を見て,気になったことがもう一つありました。
それで,Tさんにお願いして,その時の染め紙の写真を送ってもらいました。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_18493621.jpg
3枚目を見て,その時の違和感を確かめることにしました。
見本のような広がりのある模様になっていません。それは,〈つけたらギュー〉のとき,わたしが思っている以上にギューとしぼっていたのです。
つけたらギューとするのは,紙の中に染料が残ることで次の染料を汚してしまう可能性があります。汚さないように染めるときもあるのでギューしなくてもいい時もあります。ただ,それをいちいち説明するのは面倒なのでつけたらギューというわけです。
広げ水のときは染料が残っていても大丈夫なので〈プール前はギューなし〉といっていますが,この標本で染めるときは,その区別をしないでいつでもギューすることでとにかく染めることを優先しています。
さて,染料をつけた後,雑巾やペーパータオルでふき取りますが,その時,残る・残らないで言えば大きく次の三つをイメージできます。
ア ごっそり残す…拭かない
イ こっそり残す…拭き取る(多少は染め紙に残る)
ウ 残さない…搾り取る(残さず取り切る・搾るという感じが適切かどうかは分かりません。現時点で使います。)
そこで,この上記の一角両辺をこの三通りで染めてみました。
辺を染める黄色の染料は,高さの半分以上,Tさんと同じでやってみました。
ア ごっそり残す
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21064746.jpg
これは,辺の黄も,角の青とピンクもふき取ることなく,染めました。染料が多少まざることは気にしないで染めました。一回ぐらいしたからといって劇的に染料が変わるわけではありません。
イ こっそり残す
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21083367.jpg
見本に近い感じで染まりました。
ウ 搾り取って染める
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21091864.jpg

搾りに搾って染めました。これは,Tさんがわたしのアドバイスを聞いて染めたのに近くなりました。
***
Tさんの1枚目と2枚目をご覧ください。同じようなのができています。
たった一枚だけだとそれは偶然の要素があるので,どうするかわかりませんが,2枚染めて同じになるということはそこに必然的な要素があります。
そこでわたしは,Tさんの1枚目と2枚目を再現することにしました。そのように染めることのできる〈仕方〉があるということです。
わたしが注目したのは,黄の染料の量と搾ることによる効果です。
それで,こんなのを染めました。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21090323.jpg
これは,ドボンと全部浸けて搾り取って同じように染めたものです。
これで派。1と2のようになっていません。
そこで,さらに仮説を立てて染めてみました。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21093629.jpg
どうでしょう。Tさんの1枚目と2枚目に近くなっていませんか。
これは,黄の染料を半分を超えるぐらいに染めて,搾り取って染めたものです。
ウと同じなのですが,染め上がりが違います。
これは,クィックとスロー,さっととじっくりの違いです。
このブログで書いてあるので紹介しておきます。

詳しいことはその記事を見ていただくとして,今回の染めに関して書いておきます。
辺に黄色を染める時,さっとクィックに染めた時とじっくりスローに染めた時では含まれる黄色の染料の量が違います。
じっくりでたくさん含まれているときに搾り取るとペーパータオルに取られる分もありますが,その折り畳んだ紙のまだ染料が入っていないところにも押し広げることになります。そうすると,紙全体が濡れた状態になり,そこに青とピンクの染料を染めるので広がっていかないで線状の模様になるというわけです。
染料の量の問題というより,搾り取ることで紙全体に水を含めた染料を広げてしまう結果になるということです。
***
この染め方を意図的にするとこんな模様ができます。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21265139.jpg
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21294436.jpg
これは,まだ名前のない染め方ですが,折り畳んだ紙を水につけます。それを搾りに搾ります。そして,普通に染めるのです。
そうするとこのような染め紙ができます。これはこれで味があっておもしろいです。〈ちがいはあってもまちがいはない〉ということが感じられる染め紙の一つです。
***
最初に黄色で染めて搾りに搾ってから青とピンクを染めたというのが,Tさんの染め紙です。詳しいやり方が分かってわたしが再現したというわけです。
これは技術なので,再現できるというわけです。
知代さんが興味を持ったので,わたしがやり方を教えてやってみました。
まず,見本通り。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21330430.jpg
さて,次です。黄色の染料で染めるということで,液の中にドボンと落として,しばらくそのままにして泡が出てこなくなるまでしみこませました。そのあと,搾り取って,青とピンクを染めました。
そうするとこうなりました。
仕方考…枚方でのおりぞめミニフェスティバルでの出来事_f0213891_21343616.jpg
Tさんのと全く同じというわけではありません。しかし,一角両辺のように染めても違う模様になることは分かりました。
***
標本であそぶという時,一角両辺の辺の高さは4分の1。
ふき取るとき,多少は残ってもいいですよ,という説明をするぐらいで行こうと思っています。
ここに書いたことを説明しようとは思いません。
標本を見て,やってみる,染めてみることを〈わかること〉より優先させたいです。
「やってみよう」
正しいより楽しい
正しいより面白い
やりたかったことをやってみよう
失敗も思い出
(au三太郎シリーズ 作詞 篠原誠 より)
というわけです。
***
Tさんのおかげで
染料の量・スロー・搾るの三つが組み合わさることで見本のように染まらないこと。
しかし,染料の量を4分の1とかを守れば,スローと搾るの影響は少ないことは予想できます。また,染料をたくさん染めても搾り取らなければ,それなりに広がった模様ができます。三つ組み合わさらなければ,それなりの模様ができます。ですから,〈標本であそぶ〉では変えないで行きます。
やり方や知識を多く伝えるよりは,最低限のやり方で,あとは多少,ちがえても大丈夫なので,まずは,染めてみる体験を大事にしたいです。
きれいな模様をつくるということであれば,工夫が必要です。しかし,まずは,染めてみる,やってみる。きれいな染め紙を追求するのはそれからでいいと思います。
ものづくりはたのしさづくり。

Tさん,そして,こんな機会を作ってくれた枚方での〈おりぞめミニフェスティバル〉に感謝します。














by orizome | 2024-11-30 22:02 | 紙を染める | Comments(0)

紙に染料をつけて染めるものづくりの<おりぞめ>噺。ものづくりはたのしさつくり。おりぞめ染伝人(山本俊樹)メールアドレス orizome●live.jp
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